スギ花粉症には舌下免疫療法がおすすめです。
今年のスギ花粉飛散は観測史上最高に多い年でした。スギ花粉症の皆様は、きっと大変つらい春を過ごされたことでしょう。
弘前大学大学院耳鼻咽喉科では、気象予報士や樹木医などと共に青森県花粉情報研究会をつくり、毎年県内各地のスギ花粉飛散情報を発表しています。そのデータをもとに、1996年の観測開始から今年までの弘前市のスギ花粉飛散総数をグラフにしてみました。
縦軸:スギ花粉飛散観測値(個/㎤)、横軸:年
いかがでしょうか?年々スギ花粉の飛ぶ数が多くなっているのが一目瞭然です。そして今年は急増しています!
また日本耳鼻咽喉科学会のスギ花粉症の全国調査では、
・5~9歳でスギ花粉症が急激に増加
・10~50歳代ではほぼ半数の方がスギ花粉症
と報告されています。
しかし一度なったらほぼ治らないと言われているスギ花粉症ですが、多くの方が春につらい症状があっても夏になるとケロッと忘れてしまいます。年々増え続けているスギ花粉の飛散、しかも小学校低学年でスギ花粉症が急増している現状を考えると、できれば症状が軽いうちに有効な治療を受けることが望まれます。
そこで来年以降に向けてスギ花粉症に対して今からできるすごく有効な治療法=舌下免疫療法をお勧めします。
この治療はおおむね5歳以上から可能です。スギ花粉が飛んでいる時期(弘前では2~5月)には開始できないため、今の時期から始めるのが勧められます。スギ花粉の時期でもお薬を飲まないで過ごせるくらいの高い効果が期待できる治療法です。もちろん各種健康保険が使えますが、およそ4年間くらいは続く治療のため、窓口負担が無い年齢のうちに行うのも得策です。
当院ホームページのトリーさんのアレルゲン免疫療法ナビをご覧いただくと詳細が分かります。スギ花粉症の方は是非ご検討下さい。